10 : サントリーニ

2010.09.30蒼い空と白い壁~Day:28 Santorini~
カテゴリー:10 : サントリーニ

今回の旅は、特に「これが見たい!」という物が無く「なんとなく世界を一周」というトンでもない旅だが、訪れたかった場所が2つある。

エーゲ海に浮かぶ島と、アフリカのサバンナだ。

どちらも劇団四季で、長い事お世話になった「マンマ・ミーア!」と「ライオンキング」の舞台となった所だ。

まぁ今更、その場所を訪れても、役には立たないのだけど、自分が想像していた世界は、実際はどんなんかな、という感じで知っておきたかった。

 

 エーゲ海に浮かぶ島はいくつもあるけど、やっぱり一番マンマミーアのイメージに近いのは、ここかな?という事で、サントリーニ島にやって来た。

本当は「サントリーニ」というのは、この周辺の島群を指す言い方で、僕が訪れたこの島は正確には、Thira島という。

マンマミーアにも出てくる、白い壁に青い扉という建物は、この島の至る所にある。

特に有名なのがイア(なぜかOIAと書く)という街で、皆さんも写真等で一度は見た事があるかと。せっかくなので、まずはそこに滞在したい。

まぁ、バリバリのリゾート地なので、またもや物価は高い。レストランはロドスよりも、少し高い気がする。

が、ネットでかなり安い宿を見つけた。1泊15ユーロ(約1700円)なんと朝食付き。これには、本当にビックリ。調べてみるもんだ。

またもや、ドミトリーという相部屋なんだけど、シーズン中には予約が殺到するんじゃないかな?

しかも、ものすごく流暢な英語を喋る若い男性が、受付にいた。これはとても安心。

 

今まで、最長でも1ヶ所4泊という弾丸ツアーでここまで来てしまったので、少しゆっくりめにここにいよう。問題は食事だけど、まぁ、なんとかなるだろう。

 

この日もとても晴天に恵まれ、雲ひとつ無い快晴だった。せっかくなのでこのチャンスを逃さずに写真を撮ろうと、パシャパシャやっていたら、なんと3時間の間に120枚も撮ってしまった。すっかりオノボリさんだ。

まぁ、例によって僕の拙い文章ではなく、いくつかの写真で、イアという街を、ご紹介します。

 

 

 

 

 

この島は、火山の噴火で出来た島なので、起伏がとても激しい。特にこのイアの街は、急斜面に多くの建物を建てている。

 それらの大部分は、観光客向けに作られたような建物なので、どうしても「作り物」っぽさ、というか、ちょっとテーマパークに来てるような気分になってしまうが、それでも綺麗なモノは綺麗だ。

ほとんど全ての建物が、白い壁に青い屋根なのかな、と思いきや、意外にそうでもない。

 

と、ここで、あまりの暑さに一度宿に避難する。

この宿にはQuietTimeがあり、14時から17時まではお静かに、とある。

なんじゃそりゃ?と思いきや、なんとシエスタタイムだった。街でもいくつか、同じような張り紙を見つけ、レストランや薬局でも、お昼14、15時くらいから18時くらいまではお休み、という所がカナリある。これは、シーズンオフに差し掛かっているからなのかは、分からないけど、確かに休みたくなるほど、暑い。

僕も思わず、昼寝してしまった。

 

夜は、久しぶりにレストランで食事を取り、生意気にワインなんか呑む。久しぶりのお酒は、とても酔っ払う。

少し茹で過ぎスパゲティと、グラスワインで11ユーロ(約1250円)これは、とてもじゃないけど、毎晩は無理だ。

近所に沢山ミニスーパーがあるので、なんとか工夫しよう。

 

                           食事したレストラン→

     椅子が舞台「マンマ・ミーア!」で使っていたモノと、瓜二つ。

 

 

 

 

この日は、西の空に雲があり、名物の夕焼けはお預け。

 

同じ部屋の、宿泊客は、物静かなフランス人の青年と、愛想の良いクリス、すごいイビキの大男。

そして、4匹の猫と、1匹の犬。

 

少し、ここでのんびりしよう。

 

毎朝僕の食事をねらう猫


2010.09.30太古の劇場、教会、ワイナリー~Day:29 Santorini~
カテゴリー:10 : サントリーニ

サントリーニ2日目。

ちょうど良いことに薄曇りだ。

レンタルバイクを借りて、島のアチコチを見て回ろうと思う。

ここの観光バスはものすごく、態度がよろしくないので(おそらく観光客にウンザリしてるんだろうと思うけど)意外にも安かったバイクを借りる。

パスポート以外の身分証があると良い、という事で、発行して貰った国際免許証だが、本当に使うとは思わなかった。

しきりにホンダの600ccを勧められるが、7年ぶりのバイク、しかも初の右側通行で、事故でも起こしたら大変なので、排気量の小さい「自転車よりは少し速い」程度のものを借りる。北端から南端まで10数キロの島なので、これで充分。

この島はとにかく走りやすい。道幅はそんなに広くないが、見通しが良く、信号がひとつもない。まぁそうでもないと、バイクに乗ろうなんて思わないんだけど。

 

とりあえず、島の中心地Firaの街に行くが、これはもう観光客で溢れかえってて、ちょっとキツイ。リンゴを1個買って、北東の街Kamariを目指す。

 

さほど時間もかからず、Kamariのビーチに到着。前にも書いたけど、この島は噴火で出来た島なので、周りはカルデラで囲まれ、ビーチの砂浜までもが黒い。まぁそんな事、たいした問題じゃないほど、海も空も綺麗なんだけど、やっぱりちょっと残念。

 

 

 

 

 

 

そんな事からか、あまりビーチに人はいない。それぞれの島には、それぞれの楽しみ方があるんだな。

 

すぐ側に「Ancient Thira」と書かれた看板を見つけるので、そこへ向けてバイクを走らせる。

と、まぁ、道はみるみる内にトンでもない急斜面になっていく。もはや立派な登山。

なんと「Ancient Thira」は崖の頂上にある、古代の都市の遺跡だった。

 

なにもまぁ、こんな崖の上に都市を築かんでも、と思うのだが、おそらく外敵の侵入から、街を守る為だったんでしょうね。

英語の解説文が至る所にあるんだけど、古代遺跡の解説を英文でスラスラ読めるワケもなく、流し読み。

どうやら紀元前2世紀くらいに栄えた街らしい。そういえば、この島は、伝説のアトランティスだったのでは、という説もあるらしい。

 

それが、火山の噴火で、島の大半が消えてしまって、今のような形になったとか。昔はこのサントリーニ諸島が、大きなひとつの島だったんですね。

 

と、歩いていると、劇場の跡があった。海背にして立つ、すり鉢状の劇場。

 

古代ギリシャ人は、ここでどんな舞台をやったんだろう?やっぱり緊張したり、台詞トチったりしたのかな。

わった後、楽屋(楽屋?)で、「やべ、台詞カンじゃったよ」とか言ってたんだろうか?  (もう少し、ロマンチックな空想しましょうね)

 

 

 

お昼も過ぎた頃、今度は、島の南西Akrotiriを目指す。

以前、ネットでこの辺りに1泊6ユーロの宿があったというのを見たので、どんな街か見に行こう。

 

ここら辺で僕は、自分が理想の街を探している事に気づく。

イアの街は、とても綺麗で、宿も快適なのだが、どうにも観光客で溢れていて落ち着かない。もっと田舎で、派手ではないけど観るものがある、人の優しい街に行きたい。

どうやら僕は、イスタンブールでトランプをしている初老の紳士と過ごした時間のような、あんな体験を探しているみたいだった。

いつも僕は、漠然とした行動欲求だけが先にあって、周りの人に「具体的にどんな感じ?」と聞かれ、うまく答えられず、消去法で色々消して行って、やっと「自分が探していたのはこういう事か」という結論に辿り着く。

なんとも迷惑な話しで、申し訳ないのだが。

 

Akrotiriの街は、イアの正反対にあり、かなり落ち着いた街だったが、やっぱり少し違う気がする。ここも観光の為の街という感じで、そもそも、安宿なんてありそうにもなかった。

途中にあった「Traditional Setting」(どう訳したら良い?)という看板のあった街はとっても綺麗で、海沿いにこそ無いが、静かで過ごしやすそうだった。

あんまりテーマパークっぽくない所をお望みの方には、イアよりこちらをお勧めしたい。

 

島の北から南までを、走破したが、やっぱりこの島一番の見所は教会だと思う。

いったい誰がこんなお洒落なデザインを考えたんだ?というくらい、いちいちお洒落。ギリシャ正教の方々は、デザイン能力に突出しているんだろうか? 本当にビックリする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんな教会が、島の至る所にある。いちいちバイクを止めて、写真を撮ってしまった。教会の写真集が作れるくらいに。

 

 

と、途中でこんな看板を見つけた。

アートスペースなんだか、カルチャーセンターなんだか、ミュージアムなんだか、ワイナリーなんだか分からないので、行ってみる。

 ご親切にも受付の女性が、施設の全てを案内してくれた。ここは、古くからあるワイナリーで、今でもその一部を使ってワインの製造を行っているそうだ。

製造には、新しい技術を取り入れているので、空いたスペースをギャラリーとして使って、島中のアーティストの作品を展示している。

だから、アートスペース、ミュージアム、ワイナリーなんだ。あってんだ。

作品はどれもとても素敵で、中には、値札の付いてるものもあった。この島の海や空や教会は、格好のアートの題材になるんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついでに、現在行っているワインの製造工程を見せて頂いた。なんと施設は、地下8メートルにまでも伸び、そこで温度管理をしている。

機械は最新の物を使っているが、大事な工程は今でも、昔ながらの手作業らしい。

 

「それは、とてもとても重要な作業なのよ。機械じゃ出来ないわ」と語る彼女。いつも思うんだけど「自分の仕事を、誇らしげに誰かに語る姿」というのは、とてもとても素敵だ。  僕もこんな風に仕事をしたい。

しきりにテイスティングを勧められたが「バイクに乗らなきゃいけないので」と丁重にお断りすると「?」という顔をされた。

きっとギリシャ人には、ワインのテイスティングで酔っ払う人がいるなんて、理解出来ないんだろうな。いるんですよ、本当に。

大きなワイナリーではないので、大量生産は出来ない。3つのレストランに卸しているだけだと言う。

 

ぜひ、飲んでみたくなったので、お土産用の小さなボトルのワインを、ひとつ買う。

残念ながら、ここはあくまでも、ギャラリーなので、アーティストはいない。もっと小さな工房兼ギャラリーのような所でないと駄目かな。

 

親切に案内してくれた彼女にお礼を言い、またしばらく走ると、まさしくそんな用な所を発見。

島のアチコチで見かけたウォールペイントの工房のようだけど、音楽がかかっていて、ドアも開けっ放しなのに、中には誰もいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく待っても帰ってこない。それだけ、島の治安が良いという事なんでしょうね。

 

 

バイクのおかげで、島のアチコチを堪能したが、そのせいか、もう他の所に行ってしまおうかな、という気になって来た。

 

いったい僕は、どこでのんびりしたいんだろう?  本当にのんびりしたいんだろうか?

 

何か、生き急いでいるかのような、旅になって来てしまった。そうか、おくりものを渡してないからか。

 

観光客の為の島では、ちょっと難しいかもしれない

そろそろイタリアを目指そうかな。



2010.10.01夕暮れの街~Day:30 Santorini~
カテゴリー:10 : サントリーニ

朝、雨の音で目を覚ます。

起きてみると、空には一面の雨雲。

これじゃ今日は、まったくする事がないな、と朝食をすませブログを書いていると、いつの間にか日が差してきた。

昼過ぎになると、雲ひとつない快晴となった。

山と同様、島の天気も変わりやすいのだろうか。

 

さて、そろそろ次の移動のルートを決めよう。

アテネは、ギリシャの金融破綻が原因で、治安が良くないという話を聞いていたので、このままイタリアへ行こうと思う。

サントリーニからミラノへの直行便の飛行機は、シーズン中のみで、今はもうない。

ネットで調べた所によると、他の島からイタリアの、ちょうど長靴の踵にあたる部分、バーリという港へのフェリーがあるらしいので、それを調べよう。

イアの街(というか村)は小さいけれど、旅行代理店がいくつもあるので、どこかでチケットの手配くらい出来るだろう。

 

と、思ったのが甘かった。

「ここでは出来ない、もうひとつの営業所に行って下さい」そっちに行くと「ここじゃない、もうひとつの方だ」「この店では出来ないの。ここから5分くらい歩いた所にある案内所なら出来ると思うわ」「この街じゃ無理だね。Firaの街に行かないと」と全然ラチがあかない。

最後に行った代理店で「ここから10分ほど歩いた所に、TSNという代理店があって、そこでなら出来るわ」という、可能性のありそうな情報を頼りに、またもや歩く。

ところが、案の定10分たっても20分たってもそんな代理店の看板すら見えない。とうとうイアの街を出てしまった。

近所のマーケットで「TSNという代理店を探しているんですが」と聞くと「この道を戻って400mほど歩くと、あるよ」という。

戻る?そうですか、ありがとう。と戻ってみると、そこはSNTトラベル。しかも最初の方に訪れた店。TSNを紹介して貰った店のすぐ側だ。

どうやら、この街では無理って事らしい。あきらめて、バスに乗り、Firaの街へ行く。

 

最初から1.4ユーロ(約160円)のバス代をケチらずに、そうすりゃ良かったんだ。快晴のイアの街を1時間半以上歩きまわってしまった。

やれやれ。

Firaの街の、スターフェリーの大きな看板を掲げている代理店に入る。どうやら、このフェリーのチケットは正規代理店でしか買えないようだ。

誰か、最初っからそう言ってくれよ。

フェリーでイタリアに行きたい旨を伝えると、アテネのすぐ側の港、ピレウスに渡り、そこからバスか電車で、ギリシャ西側の港パトラスに行き、そこから、バーリ行きのフェリーに乗れという。他のルートは無いんですか?と聞くと、それしかない、と言う。

最初っからそのルートしかないのか、シーズオフに近いから無いのかは分からないが、色々聞いても、それしか無いの一点張りだ。

もう夕方近く、お店も閉まりそうなので、そのチケットをお願いする。明日の午前0:40発、ピレウス6:00着だ。またこんな
移動になってしまった。まぁ、いいか。35ユーロ(約4000円)でチケットを購入。

 

今日は、今までにない快晴となったので、夕日を観に大急ぎで、イアの街へ戻る。

到着すると、時刻は18:30。完全な日没は19時近くなので、なんとか間に合った。街の北端、SunSetViewポイントへ向う。

と、辺りは凄い混雑。ここ数日、夕日の観れる天候ではなかったせいか、狭い路地は人で溢れかえっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこへ、偶然、宿で同室のクリスがやって来た。大勢の人に混じって、夕日を眺める。

かなり意外だったのは、空はあまり、というか、ほとんど赤く染まらない。水平線上のほんの一部、空と海の境目のラインが赤い帯のようになるだけで、空は青いまま、太陽が水平線の向こうに沈んで行く。

 まん丸い、小さな太陽は、本来あるべき位置に納まるかのように、すーっと沈んで行く。SunSetとは良く言ったもんです。

太陽の最後のかけらが、海の向こうに納まると、辺りから盛大な拍手が起こった。

「まるでショーだね」

「本当だね。観客もすごいし」

「カーテンコールはないのかな?」

ただ、毎日繰り返される、太陽が沈むという現象だけでも、多くの人を魅了する事が出来る。何ヶ月も準備して、必死に舞台を用意する身からすれば 「ちょっと、そりゃないよ」 という気がしないでもない。

全ての舞台は、日常での感動の模倣、という事なのか。

 

 日が沈むと、空は青いまま、辺りが少しずつ暗くなる。そして、照明を落としたかのように、街は夜を迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生まれて初めて、水平線に沈む夕日を観て、感動したけれど、この綺麗な街が赤く染まる瞬間を期待してしまったので、ちょっと残念な気もする。

何年か前に新聞で「空気中の二酸化炭素の量が多いと、夕焼けはより赤くなる」という記事を読んだ気がするけど、そんな事も関係しているんだろうか? だとしたら、東京の空気は相当汚染されている、って事かな。

手前味噌だけど、これなら僕の住む街、多摩の夕焼けもなかなか捨てたもんじゃないな、なんて思った。

大きな太陽が、空と雲を真っ赤に染めて、遠くの山の向こうに沈んで行く姿も、なかなか良いものです。

ひょっとしたら、「夕日」と「夕焼け」という別の現象なんだろうか。

 

今までもそうだったけど、その街での「観るべきもの」を観終えてしまうと、少し寂しいような気持ちになる。この街とも、明日でお別れだ。

ギリシャの島には来たけれど、ギリシャ人という人達とあんまり接してない気もするので、パトラスにでも少し滞在しようか。

 

まぁ、いいや。また着いてから考えよう。

 



夕暮れの街でのケーナのパフォーマンス。

曲目はなんと、マンマ・ミーアでも使われてる曲、ABBAの「チキティータ」だった。