14 : プラハ
- 2010.10.23勝手に宣伝マクドナルド~Day:44 Prague~
カテゴリー:14 : プラハ
12:30のプラハ行きの電車に乗る前に、土日のみ開催される「蚤の市」に行く。これは、なかなか楽しかった。
服、アクセサリー、家具、小物、古本、食材、なんでもある。
こういう市場は、そこに住んでいる人達がどんな物を食べ、どんな物を必要としているかが、分かるのがとても良い。
相変わらず、お肉はとても安い。そして、ソーセージ等、加工肉商品の種類がとても豊富だ。
魚は高い!どんどん高くなっていく。ここにはお肉の数十倍の値段のする魚まであった。どんどん内陸部に入ってきてるからだろうか?
お肉より少し高い程度のギリシャで食べておけば良かったかな。なんとかして魚を食べたい。でも、とりあえず当分は無理だな。
並びにアジア食材店があったので、行ってみる。
ほとんどが中国食材だったけど、日本の緑茶を見つける。
そして、これも購入。
中国向けの商品なので、味は随分違うだろうけど、久しぶりに馴染みのある食べ物で、嬉しい。
日本で開発され、中国で作られ、中国からはるばるオーストリアにやって来て、日本人に食べられる。なんて回りくどいカップ麺だ。
ついでに野菜市場で果物を購入。果物が安くて美味しいのは、本当に嬉しい。色々食べたけど、どれも新鮮で美味しかった。
ただイチゴだけは、日本の方が、断然美味しい。まぁその分、値段も数倍になっちゃうけど。
駅のホームでケバブを食べて、電車に乗り込む。自由席なのにコンパートメントタイプの個室。ウィーン、プラハ間で60ユーロ(約6800円)。
あと数回の電車代だけで、交通費はかからなくなる。
その分の予算を、オペラやバレエ等に回せるので、嬉しいのだけど、どうにも頭はもやもやしたままだ。
車窓から外の景色を眺めながら、色々と考える。やっぱりアフリカ行きを諦めた事が、どうにも引っ掛かってるみたいだ。
やっぱり逃げだったんじゃないかな、多少強引でも行った方が良かったなんじゃないかな、と相変わらずグズグズとした想いが頭によぎる。
もともとルートは行きながら色々と変えようとは思っていたのだけど、アフリカ丸ごとカットは思ってもいなかった。
今までずっと頭のどこかに「世界一危険な街ヨハネスブルグ」への心構えのようなものがあったので、それがなくなったせいだろうか。
まぁ、そのアフリカをカットしたんだ。ヨーロッパでの旅を、ちゃんと身体に刻もう。
予定通りウィーンを出発した列車は、予定より15分早くプラハに着いた。早く着く?まぁ、最終到着駅に早く着く分には、誰も困らないのか。
東海道新幹線の職員が聞いたら、ひっくりかえるだろうけど。
列車を降りると、相当寒い。またもや寒さのレベルが上がった感じで、身体にガツンと来る。
僕のここまでの一番の防寒着は、福岡での動員でお世話になった、マクドナルドの店長さんから頂いた、クォーターパウンダーのウィンドブレーカー。
これが、実に優秀で、かさ張らない、とても暖かい、雨は完全に弾くで、ここまでずーっとお世話になっていた。
空港等で冷房が効きすぎてて寒い時にもこれを着ていたので、僕はアジアからヨーロッパまで、ずっとこれを着て宣伝しながら歩いてたようなものだ。

マクドナルドさんから、何か貰えないかな?無理だろうな。
と、その優秀なウィンドブレーカーでも、プラハの寒さを完全にしのぐ事は出来ない。当たり前か。
アフリカにも行かない事だし、やはりコートを買うべきなんだろうな。悩むところだ。
雨に塗れた石畳を歩いて、宿に向う。
今夜はプラハ国立歌劇場で「ラ・ボエーム」がある。急いでチェックインをすませ、例の「精一杯の正装」の上にクォーターパウンダーを着て、劇場に向う。
ネットで調べてもプラハ国立歌劇場の立見席の情報は無かった。まぁ、今までの感じからして、当日でもなんとかなるだろう。
開演、15分前に劇場に着きチケットオフィスに並ぶ。「立見席はありますか?」と聞いたら笑われた。仕方ないので「一番安い席を下さい」と言ったら、100チェココルナだと言う。ここまで、急いで来たので、通貨単位をまだ把握してない。えーっといくらくらいだ?まぁいいや、急に馬鹿高くはならないだろう、と1枚お願いする。
案内された席は、2階バルコニーの後方。劇場はウィーンよりさらに小さいので、充分に舞台が見える。
落ち着いたところで、駅で両替した時のレシートを取り出し、レートを計算する。なんと1チェココルナ=約4.6円だ。という事は、一番安いとは言え、ちゃんと座席のあるこの席で、460円だ。なんとありがたい、ヨーロッパ。立ち見でも無いのに、この値段とは。
しかも開演と同時に、客席係りのオバちゃんが僕の所にやってきて「ほら、他の所に移動しな」みたいなジェスチャーをする。
戸惑っていると「Free!Free!」と連呼する。なんと開演したら、席の移動は自由らしい。チケットのランクも関係無しに。
良いのかな?と思いつつも、2階席のど真ん中に移動する。僕の100コルナの価値がさらに上がる。これで460円?プラハの「ラ・ボエーム」が? ほんまかいな。
「RENT」で知った方も多いであろう、ラ・ボエーム。とても良かったです。まぁ、また長くなるので、感想はまたの機会に。
休憩時間に、僕の前の席のレズカップルがずーっとキスしてた。なんだか本当に「RENT」の世界に入れられた気分だった。
帰りに、クロークでウィンドブレーカーを受け取り、クォーターパウンダーを宣伝しつつ帰る。
酔っ払いなのか、なんなのか、ブツブツいいながら歩いてるおじさんが二人くらいいた。スキンヘッドの男達以外は、まぁ大丈夫だろう。
ふと振り返ると、とんでもない建物が建っていた。どうやらプラハには、こんな建物がゴロゴロしてるみたいだ。
- 2010.10.23出てこない魔法使い~Day:45 Prague~
カテゴリー:14 : プラハ すっかり曜日の感覚がなくなってしまっているが、どうやら今日は日曜日らしい。
しかも、すっきり晴れているので、辺りをウロウロしてみよう。
今日のプラハ国立歌劇場の公演は「Sleeping Beauty」しかも昼夜二回公演。ほぼ同キャスト。恐れ入ります。
まぁどちらかを観よう、と適当な予定で街へ。
今まで、トルコよりこっち「街が綺麗」を言い続けたので、正直街の綺麗さを伝える語彙を失いました。
ご覧下さい。
まー、すごいです。なんと言えばいいんだろう。
ウィーンでは、格式高い、角ばった建物たちに四方を囲まれ、少し閉塞感を感じたけど(僕はね)、プラハの建物は、同じように伝統を感じるのに、どことなく、優しい雰囲気がする。
路も、直線ではなく、緩やかなカーブを描いていて、ゴツゴツしていない。
旧市街の広場に、到着すると、日曜日だからか、沢山の屋台が立ち並んでた。
屋台大好きな僕は、ここで昼食を済ませる。
ジャガイモとソーセージの炒め物。入っているタマネギは、とても甘酸っぱい。(なんとか、っていう伝統的な奴なんですよ)
鶏肉の串焼き。間に入ってる赤いのは、パプリカだと思ったら、ソーセージだった。肉の比率高くて、端をつまむと串が折れんばかりに歪む。
僕はさすがに食べれなかったけど、ハムの丸焼き。すごい、ボリューム。肉好きにはたまらないんだろうな。
さて、バレエに行くか、このまま辺りを見て回るか迷っていたら、広場にパフォーマーが。
これが、すごくカッコ良いジャズクィンテットだった。本当に楽しそうに演奏していて、それぞれのソロがもの凄くカッコ良い。
すごく迷ったけど、そろそろ日本にいらない物を送るので、CDを買ってしまった。
僕は、彼らの演奏を、最初から最後まで30分間、ずっと聴いていた。
ここ最近、色々な舞台を観ているけど、やっぱりこういう「観るつもりのなかった人達」を突然巻き込んで、観客にしてしまうパフォーマンスというのは、最高に素晴らしいと思う。そして最後には、拍手喝采を浴びて、CDまで買わせちゃうんだから。
キャッチーなパフォーマンスで、しかも通行人の足を止める実力が無いと、駄目なんだろうな。
日が暮れるまで辺りをうろついて、やっと街の位置関係が把握出来た。
宿には綺麗で大きなキッチンがあるし、近所にスーパーもあったので、野菜を沢山食べれるチャンスだ。
宿で、着替えて、再びプラハ国立歌劇場へ。
この劇場は、伝統ある建物の威厳もありつつ、とても入りやすい雰囲気で、かつクロークや客席係りのおばさんも親切で、とても好きだ。
劇場はあんまり大きすぎず、小さめのサイズが一番良いと思う。ま、何をして小さめか、とするかは、とても難しいところだけど。
正直、3000の客席なんて必要なのかな?って思ってしまう。まぁ、必要だからあるんだろうけど。
この日は「Sleeping Beauty」僕でも分かる演目で嬉しいけど「Czar’s Last Daughter」とある。まぁ、お姫様がお誕生会で呪いをかけられて、眠って、王子様のキスでハッピーエンド、というのは変わらないんでしょ?
と思ってたら、全然違った。
お誕生会までは、ハッキリ分かったけど、そこからが随分違っていた。
どうやら、お姫様は、ロシア皇帝の最後の娘で、お誕生会のシーンの後、ロシア革命が起こり、裁判にかけられるというお話しみたいだった。(違ってたらごめんなさい)なんとも、重いシーンが多かったけど、演出と衣装がとても素晴らしく、とても楽しめた。主役の女性の表現力も、素晴らしかった。
こんな大変な演目を、よく一日二回もやれるもんだ。本当にすごいと思う。
魔法使いが出てくるような、メルヘンチックな作品を想像してたから、ちょっとビックリしたけど。
そして、キャスト表のソリストの所に日本人の名前が。
ネットで検索してもちっとも出てこない「おぎもと みお」さんという方、もの凄く上手かったです。最高に光ってました。
世界にアチコチで、日本人が頑張っているだなぁ、と実感し、舞台の余韻に浸りつつ、宿へと歩いて帰る。
夜、バレエを観終わった直後に、この街並みを歩いていると、とたんに現実感が薄れていく。
路地の角から、魔法使いのお婆さんが出て来ても、おかしくないような。
『ひひひ、お前にローレンス・オリビエの才能を授けよう』 とか言ってくれないかな。
「ジェームス・ディーンの顔もつけて!」
呪いかけられちゃうな。
- 2010.10.24ロンド・アラ・トゥルカ~Day:46 Prague~
カテゴリー:14 : プラハ この日は月曜なので、公演はお休み。
おまけに雨。ちょうど良いので、いい加減に遅れているブログをなんとかしないと。とソファーのある、実に居心地の良い談話室で、ひたすらパソコンを叩く。
ここには、快適なキッチンと、ギターとピアノがある。なんと素晴らしい。
キッチンで、緑茶をいれ、ひたすらブログを書き、飽きるとピアノを弾く。窓の外を眺めると雨に塗れたプラハの街。
お前は、ベストセラーを飛ばした小説家か?というくらい贅沢な環境だが、書いてる文章は稚拙な上、遅々として進まない。
あまりに進まないと、ピアノにむかう。
このピアノ、「ファ#」と「ソ」の音は、勢い良く叩かないと、ハンマーが戻って来ない。
しかも、ボロボロで調律も狂っているんだろうけど、どう狂ってるのか分からない程度の耳の持ち主なので、問題なく弾かせて頂く。
もう、随分と触ってないから、指なんて動かないだろうな、と思いきや、ちゃんと弾ける。まぁ今まで程度のレベルで、という意味ですが。
一度習得した事は、ちゃんと身体が覚えているなんて、人間の脳というのはありがたいものです。
あんまり、酷い演奏を延々と聴かされると(しかも同じ曲ばかり)、レセプションの青年も辛いだろうし、プラハに在住した歴代の音楽家に祟られそうなので、ほどほどにしておく。。
もうちょっと練習すれば、祟られない程度には、なりそうなんだけどな。
お昼は、キッチンの「Free Food」と書かれた棚に置いてあったパスタ(80gぐらい)と、同じく「FreeFood」の表示がしてある冷蔵庫のソーセージとジャガイモの煮物のような料理で、「Freeスパゲティ プラハ風」を作る。なかなか悪くない。塩とオリーブオイルさえあれば、なんとかなる。たとえFree食材でも。
昼食を終え、お茶を飲みながら、うんうん言いながら、グミベアーを食べながら、ちびちびとキーを叩く。
どうにかこうにか3日分を書き上げると、夕方近くなっていた。
こんなに使い勝手の良いキッチンを使わない手はないので、近所のTescoに買い物に行く。
このTescoの入り口には、凄く人相の悪い警備員がいる。鼻から下はヒゲで覆われ、「BadBoy」のロゴみたいな眉毛をして、親の敵を探すような眼で、ずーっと客を睨んでる。万引きしたら射殺されるじゃなかろうか、ってくらい。
映画の悪役にこんな人がいたら、降ろされるだろうな。「君、やりすぎだよ。そんな人いない」って。
相変わらず、魚は目が飛び出るほど高い。動物性たんぱく質って取らなきゃ駄目なのかな? ベジタリアンがいるんだから良いのか。
とりあえず、生野菜を沢山食べたかったので、トマト、ハム、パプリカ、サラダ菜(みたいな野菜)、レモン、ビールを買う。ビールはすごく色んな種類があって、値段もピンキリだ。どのビールも美味しいらしいけど、評判の良い「ピルスナークルェル」みたいに読めるビールを買う。これは、とても飲み易くて、香りが良い。ぜんぜん嫌な苦味が無い。お勧めです。
宿に戻り、盛大にサラダを作る。サラダ菜をちぎり、ハム、トマト3個、パプリカ2個をのせ、レモンを絞り、塩と胡椒、オリーブオイルを振る。
大きな皿がなかったので、2皿に別けて盛り付ける。それをビールを飲みながら、やっつけるかのごとく、ワシワシと食べる。実に美味しい。
と、僕のウィンドブレーカーを見て「マックで働いてるんですか」と日本人の青年が声をかけてきた。ほら、やっぱり宣伝料貰わなきゃ。
彼は、会社を辞めて1年以上かけて世界中を周っているという。「今はどれくらいですか?」と聞くと「半年と2週間、29カ国めですね」と。
色々と聞くと、今まで通って来た国、これから行く国の名前が、カタログを暗記しているマニアみたいに、スラスラと出てきた。
彼は、全然嫌味のない、感じの良い方だったけど、それでも通過して来た国の数を誇りに思っているのは、良く分かった。
僕は今まで、全然そういう人に会わなかったけど「どれくらい長い期間、どれくらい多くの国に、どれくらい安く行ったか」を自慢したがるタイプもいるらしい。そしておまけに「どれくらい危険な目に遭ったか」というのも付くようだ。
なるほどな、とちょっと納得してしまった。
「旅の目的とかあるんですか?」と聞こうかと思ったけど、ビールの酔いで、余計な事を言いそうだったので、やめた。
色々な旅をする、色々な人がいる。
ハンマーの戻って来ないピアノで、ひたすらモーツァルトの「トルコ行進曲」を練習する奴だっているのだ。
僕は、彼の言った「城、教会、博物館は見飽きましたよ」という言葉が、とても印象的に感じた。


















